日記

金も何もないけど、文字だけは書ける訳ですね。

4/13

夏が過ぎ 風あざみ


おはようございます、カスです。過ごしやすい季節を過ぎ、暑さまで感じるような日々が続きます。

夏はお好きですか?私は一言で言い表せないような感情を持っています。


初老の女性が扇子を仰ぐ。夏の匂いがする。

いい事ばかりのはずなのに、まともな青春を送れなかった事、よりにもよってそのことを妄想で穴埋めして、原風景の夏ばかりを毎年毎年思い返してしまうから、現実に「どこかここではないところに自分はいるんだ」と他人事のように生きて死んでいく。



「情けないですね」と声がします。



正しくなれなかった事を妄想で埋めたから、夏の暑さで脳がやられていくのに乗じて酔っ払いのように五感を美化して勝手に1人で笑っているし、それに対して「別に世の幸せそうなアイツらも夏に乗じて楽しんでいるのだから、そのおこぼれを僕1人で啄むくらい、問題ないじゃないか」


ずいぶんと卑屈な言い訳が得意ですね。


冷房の風が定期的に当たる電車に揺られながら、僕の行き先はここではないのではないか。と思いながら生きていく。何もない田舎の、コンビニの裏の神社にこそ僕が欲しいものがあるんじゃないか。そんな気がして、やるべき事を疎かにしようとしている。


何も無い場所には何も無いです。貴方がしている事は、夏に自分の居場所が無い事を見ないようにして、勝手に妄想の中で居場所を作ってそれを子供みたいに守っているだけです。貴方が何も無い場所が好きなのは、「何も無い」という弱みに漬け込んでそこに自分を混ぜて自分のものにしたいというねじ曲がった独占欲からなんですよ?


ずっと、20数年で培った理性が話しかけてきています。それすら、妄想の中の会ったこともない女の子の形をしていて気持ちが悪い。


本当に、気持ち悪いですね。


こんな状態でなんとか日々を過ごしている。気が触れてしまいそうになるから、僕はなんとか言葉に残して、辛さとこの思春期的な心のざわめきを少しでも吐き出しています。愚痴を誰かに話すように、呪いを人に分けるように。

あるいは、誰かに自慢するように。


桜の木の下には屍体が埋まっているし、妄想の中の原風景には俺の将来を捨てたものが埋まっている。


また後日。